2005年、愛知県で開かれた万博「愛・地球博」の折に建てられた、「となりのトトロ」に出てくる「サツキとメイの家」。
愛・地球博の時に見たかったのですが、チケット入手が難しく、ゴンドラから屋根だけ見ました。
つい最近、やっと見に行くことができました。
長久手市の、愛・地球博記念公園「モリコロパーク」、今は紅葉も見られます。
30分の観覧時間のうち15分が家の中、15分は家の外から見ることができました。
短い時間でしたが、アニメの登場人物が本当に生活しているかのような、感じを受けました。
お父さんの部屋、お風呂、台所、縁側、井戸のポンプなどを見ると、アニメの情景やセリフが浮かんできます。
家の中の小物も、昭和の時代を感じさせるようにきめ細かく、押入れや、タンスなどに納められていました。
小トトロ、中トトロが入って行った縁の下なども覗いていたりする方たちもいて、きっと訪れたみなさん、共通の記憶を持って家を見られたのでしょうね・・・。
世代を超えて同じ記憶・・なんか不思議。
予約した方が安心でしたが、平日だったので、当日券ですぐ見ることができました。
愛・地球博の時はLoppiでのチケット争奪戦で混乱、それも、見に行きたい人でなく、オークションで売るための買い占めで、大変でした。
なのでその後は、ハガキでの申し込みになったのでした。
今は本来の姿に戻って、静かに鑑賞できますね。
ゆめねこはうすNo.2のブログに、子連れで行った様子を書きました。
その後、建築に関わった人が同じ小学校だったーという話を聞き、どのように建てられたのかにも興味を持ち、「サツキとメイの家の作り方」という本を購入しました。
もうどこにも売っていないので、アマゾンで古書を買いましたが、新品のように綺麗な本が届きました♪
中は、家の多くの写真や、見取り図、建築に関わった方達の記録が書かれていました。
主に地元の大工さんなどが、関わられたのですね。
それと、映画のセットではない、その当時建てられていたような本物の家、本当に住める家というこだわりで、建築が進められたそうです。
本の中にありましたが、
昭和10年ごろ、当時の中産階級の人が、家族の療養のために別荘として建てたが、家族が亡くなったため、ほとんど未使用のまま、必要最低限の手当てだけがされながら、長い間放置されていた、そこに昭和30年ごろ、母の療養をするため、草壁一家が引っ越してきた・・・という設定なので、
建築するときも、新築だけど、古い家に見せるよう、エイジングが必要だったそうです。
ガラスなどはその頃のものは今は作られていないので、名古屋市北区の取り壊すという古い家から、譲り受けたのも使っているそうです。
そのように、その時行われていた工法や、ガラス、タイル、瓦などもその時の材料を使うこだわりを持って、作られた家です。
年月が経つと、そうした職人さんも少なくなっていくので、この家は貴重ですね。
また、その家に生活しているかのように、小物などを揃えていくのは、建築とはまた別に、「演示」という作業があるそうです。
昭和30年代のものを揃えたり、生活感を出していくのも大変な作業ですね。
食器棚やタンスを開け、食器やお弁当箱、服などを見た時、自分も昭和30年代を過ごしているので、子ども時代を思い出して懐かしかったです。
季節に応じて、タンスの中の服などは変えているそうです。
この本を読んで、いろいろな方の総合芸術ということを感じ、また、改めて見に行きたくなりました。